腸内環境やアレルギーに影響を与える油
腸内環境を良好に保ち、アトピーを改善するために、『油ものを控える』ということも大切です。
なぜなら、私たちの“腸や体にとって好ましくない油”、もしくは“好ましくない状態の油”が、生活の中にあふれているからです。
油そのものは、私たちの健康な体づくりに欠かせないものです。
ただ問題は、“腸や体にとって好ましくない油”、もしくは“好ましくない状態の油”が、世の中には非常に多いということです。
このような油を摂りすぎることで、腸内環境が悪化してしまい、腸内細菌やアレルギーに関係する細胞にも悪影響を与えてしまいます。
アトピーの方なら、痒みが強くなってしまうことも十分にありえます。
僕自身も、アトピーがひどいときにハンバーガーやポテトチップスなどの油ものを食べると、その後にかなり痒くなったり、滲出液が出たりと、肌の状態があきらかに悪くなっていました。
腸や体にとって好ましくない油
私たちの“腸や体にとって好ましくない油”には、トランス脂肪酸やパーム油というものなどがあります。
トランス脂肪酸は人工的に作られたもので、非常に有害な油です。海外の多くの地域で使用が制限されています。
また、日本でも以前に比べて、トランス脂肪酸の使用量は近年かなり低減されています。
パーム油は植物性油脂や植物油などと表示されることが多いのですが、この油もできる限り控えたい油です。大腸がんや心筋梗塞、糖尿病などの発症リスクも指摘されています。
トランス脂肪酸の代替として、パーム油が使用される傾向にあるようです。
これらの油がよく使われている食品には、次のようなものがあります。
マーガリンやそれを使った食品やお菓子、スナック菓子、アイスクリーム、ドーナツ、ハンバーガーやポテト、ナゲットといったファーストフード、工場などで大量生産されるインスタントラーメンなど…。
これらの油を使う側からすると、食感を良くし、保存期間を延ばし、そして安価なので、とても便利な油です。
そのため、多くの商品に使用されています。
腸や体にとって好ましくない状態の油
私たちの“腸や体にとって好ましくない状態の油”とは、いわゆる酸化した状態の油です。
上に書いたファーストフードや市販されているお惣菜などの多くは、油を繰り返し使用していることが多いと考えられます。
こまめに油を変えていたら、その分お金と手間がかかってしまうからです。
酸化したものを、またさらに何回も使用すれば、どんどん油は劣化していきます。
揚げ物を中心に種類豊富なスーパーなどのお惣菜は、とても便利だし、ありがたいものです。僕も利用することはあります。
ただ、今アトピーが苦しくてしんどいなら、僕は食べるべきではないと考えています。
あなたの腸や体、アトピー改善にとって、何も良いことはないからです。
オメガ6とオメガ3
私たちの“腸や体にとって好ましくない油”、もしくは“好ましくない状態の油”というのとは少し違いますが、摂りすぎていることが多いので控えた方がいい油というのもあります。
それは、オメガ6系の不飽和脂肪酸を多く含むごま油や紅花油、大豆油、とうもろこし油、ひまわり油などです。
オメガ6はアレルギーや炎症、血液の凝固などを促進します。
多くの人は、このオメガ6を摂りすぎている傾向にあります。
逆に、アレルギーや炎症の抑制、血管の拡張などを促進するオメガ3系の不飽和脂肪酸が不足しがちです。
オメガ3の不飽和脂肪酸は、えごま油やアマニ油などに多く含まれています。
オメガ6もオメガ3も私たちの体に必要なものですが、バランスよく摂ることが大切です。
ただ、現状はオメガ6を摂りすぎて、オメガ3が少なすぎるという人の方が多いのです。
それを理解した上で、アトピー改善にはオメガ3を積極的に摂る以上に、まずはオメガ6の摂取量を減らすことを優先すべきだと僕は考えています。
アレルギーや炎症の発生機会そのものを減らす方が、痒みを抑えるにはより効果的だからです。
また、僕自身の経験として、油に限ったことではないのですが、何か良いものを摂るより、何か問題となるものを摂らない方が、アトピーの改善にはかなり効果的だと実感しているからです。(これは腸内環境を乱すようなものを摂らないという意味で、アレルゲンを摂らないようにするということではありません)
余裕があれば、オメガ6を摂ることに越したことはないのですが、ある程度アトピーが改善してからでもいいのではないでしょうか。
自宅調理にはオリーブオイル
オメガ6を使わない代わりに、我が家ではオメガ9系の不飽和脂肪酸を多く含むオリーブオイルを使用しています。
オメガ9は比較的熱に強いので、オリーブオイルは自宅で料理するのに重宝する油です。
ただ、同じオリーブオイルであっても、ペットボトルの容器に入っているようなものは、あまり質の良いものとはいえないので避けた方がいいと思います。
僕自身は遮光された色つきのビンに入ったものを使うようにしています。
腸や体に悪影響を与える油ものを控える
いろいろと書きましたが簡単にまとめると、アトピーを改善するためには、ファーストフードやお菓子、インスタントラーメン、スーパーのお惣菜(特に揚げ物系)など、腸や体に悪影響を与えるような油ものを控える。そして家で油を使うなら、オリーブオイルがおすすめということです。
これが、僕が実際にアトピーを改善させるために行い、効果的だったと実感している内容です。