アトピーの苦しみを増幅させる夏
アトピー改善のためには、『冷たいものを控える』というのも大事なことです。
お腹を冷やしてしまうと、腸の働きや腸内環境に悪影響を与えてしまうことがあるからです。
僕がまだアトピーで苦しんでいた頃、夏が本当に苦手でした。
日差しが強く、気温が高い時期は、とにかく肌にとっての負担が大きく、とてもつらかったからです。
特にきついのが汗です。
汗をかくと、どうしても体が猛烈な痒みに襲われます。
そして弱っている肌を掻きむしれば、簡単に皮膚はえぐれ、血や滲出液があふれてくるのです。
シャワーを浴びれば、痛さと不快さで肉体的にも精神的にもボロボロです。
また、気温と湿度が高いと体温が上がり、これも強い痒みの原因になります。
当時の僕は6月初めから9月の終わりぐらいまでは、ほとんど外に出られませんでした。
そのため僕がアトピーの改善を一番実感したのが、改善したその年の夏でした。
夏の暑い日でも、半袖で外に出られる“当たり前”を取り戻したときの喜びを、僕は一生忘れることはないと思います。
腸が冷えることによる悪影響
話がそれてしまいましたが、アトピーに苦しむ人にとって、そんなにつらい夏の時期を中心に、気をつけておくべきことがあります。
それが最初にも書いた、『冷たいものを控える』ということです。
日頃からよく冷たいものを食べたり飲んだりしていると、お腹が冷えてしまいます。
そして、お腹が冷えてしまうと、腸が収縮するのです。
腸が収縮すれば、腸の動き(蠕動運動)が抑制され、便秘にもなりやすくなります。
以前に書きましたが、便秘とアトピーには深い関係性があります。
便秘になれば、腸の中に老廃物が溜まっていき、腸内環境が乱れてしまうのです。
腸内の善玉菌が減少し、悪玉菌が増加します。
これだけでもアトピーには悪影響ですが、溜まった老廃物は腸から血管に流れ、血液を汚してしまうことで、さらに皮膚の状態を悪化させてしまうのです。
また、冷たいものを短時間でたくさん摂りすぎると、下痢にもなってしまいます。
これは便秘とは逆に、腸の動きが活発になり過ぎてしまい、水分が十分に吸収されず、便が柔らかくなってしまうからです。
やはり、腸内環境は乱れてしまいます。
冷たいものを控えるのと同時に腸を温める
冷たいものを控えるのと同時に、温かいものや常温のものを意識して食べたり飲んだりすることも大切です。
お腹を温めることで、腸は正常に働いてくれますし、腸内環境も良好に保たれます。
これは一年を通して意識しておきたいところです。
ただ、どうしても夏などの暑い時期には、冷たいものを飲んだり食べたりしてしまうかもしれません。
そんなときは、量を少なくすることはもちろん、せめて同時に温かいものや常温のものも摂るようにする方がいいかと思います。
でも、本気でアトピーを改善するのなら、腸に悪影響があるものを、一日でも早く、できる限り最大限に断ち切った方が良いというのが僕の本音です。
アトピー改善へと僕を突き動かしたもの
僕も冷たいアイスやジュースが大好きでした。
アトピーによる大きなストレスを常に抱えていたので、気持ちを落ち着かせるためにも、よくそれらを食べたり飲んだりしていました。
しかし、それはアトピーにとってはまったくの逆効果。
火に油を注ぐようなものです。
僕にとって、それらを食べない飲まないというのはかなり大変なことでした。
それでも腸に良くないものを控えることができたのは、今思えば絶対にアトピーの地獄から抜け出すんだという強い覚悟を持っていたからだと思います。
そして、今の自分の頑張りで、必ずアトピーは改善すると必死に信じていました。
僕はそれぐらい追い込まれていたのです。
逆に言えば、そんなふうに追い込まれるほどの酷いアトピーでも、ちゃんと改善する可能性は十分にあるということです。