小麦がアトピーを引き起こしているかもしれない
『小麦を控える』ということも、アトピー改善のためには無視できません。
なぜなら小麦も腸内環境を乱し、アトピーなどのアレルギーを引き起こす可能性があるからです。
僕も小麦食品が大好きです。
パン、パスタ、ピザ、ラーメン、うどん、カレー、スイーツ…。
美味しいものが多すぎます。
特にパンはご飯やおやつの代わりによく食べていました。
でも、小麦メインでつくられた食事をとることは、今はほとんどありません。
理由は小麦を控えることによって得られる体への恩恵を強く感じているからです。
小麦を控えて腸内環境をさらに改善したい
酪酸菌を摂ったり、甘いものを控えるなどして、僕のアトピーはかなり改善しました。
そして普段の生活をおくる上で問題になるようなことは何もありませんでした。
ただ、アトピーが改善したからこそ、さらに腸内環境をよくして今後も痒みのない肌を安定的に保ちたいという気持ちがありました。
そこで着目したのが、“小麦を控える”ということだったのです。
カンジダ菌の増加
腸内には「カンジダ菌」という常在菌が存在しています。
普通に存在している分には何も問題ないのですが、小麦をたくさん食べていると、このカンジダ菌が必要以上に増えてしまいます。
カンジダ菌の増加は、腸内環境を乱してしまう恐れがあるのです。
そしてさらにカンジダ菌が増えてしまうと、体の免疫機能が働いてカンジダ菌を攻撃します。
この攻撃が腸内の粘膜を傷つけてしまい、腸の運動機能が低下することで、便秘や下痢の原因にもなるのです。
リーキーガット症候群(腸漏れ)
また、小麦の摂りすぎは、「リーキーガット症候群(腸漏れ)」と呼ばれる症状を引き起こします。
これは、小麦粉に含まれる「グルテン」の影響により、腸壁の細胞と細胞のつなぎめに隙間が生まれ、その隙間から有害物質や未消化物などが血管や体内に漏れ出てしまう状態です。
そのため、アトピーなどのアレルギー症状や炎症による体の不調などが発生してしまうのです。
副腎の疲労
さらには「副腎」という臓器にも、小麦による悪影響を受ける恐れがあります。
小麦を摂りすぎたり、過剰なストレスを受けたりすると、肌や腸をはじめとする体の各部に炎症が起こり、不調をきたしてしまいます。
そのとき、副腎から「コルチゾール」という(副腎皮質)ホルモンが分泌されて、炎症をしずめ、精神的にも安定させてくれるのです。
ただ、小麦をたくさん摂り続けたり、ストレスを受け続けたりすると、体中が炎症だらけになり、その分コルチゾールの分泌量も増えることになります。
そして結果的に副腎が疲労してしまい、肌や腸といった体の各部の炎症を抑えきれなくなってしまうのです。
そこで、この肌の炎症を抑えるためにステロイド薬が病院で処方されます。
しかし、これはあくまでも“応急処置”でしかありません。
アトピーを本当に改善させるためには、外からステロイド薬で補い続けるのではなく、小麦を控えることによって肌や腸に発生する炎症を少しでも抑える。そして、コルチゾールを分泌し続ける副腎の負担を軽減させていくべきなのです。
僕がアトピーで苦しんでいたときも、おいしくて、手っとり早く空腹感を満たせるパンなどの小麦製品をよく食べていました。
しかし、それがアトピーを悪化させる大きな要因のひとつだったともいえるのです。
僕の小麦を控える生活
いざ、小麦を控える生活を始めてみると、最初はやはり簡単ではありませんでした。
すぐにパンやパスタが食べたくなる…。
その度にグッと堪えて、その瞬間瞬間をなんとか乗り越えていました。
「食べるものが何もない…」
それが当時の僕の正直な気持ちでした。
そこで小麦の代わりに使い始めたのが米粉です。
今まで小麦粉を使っていた料理は、すべて米粉でつくるようになりました。
パン屋さんに行くこともなくなりましたが、パンを食べるときには米粉でつくられたものを食べています。
また、最近はグルテンフリーのパスタやカレー粉なども、お店でよく見かけるようになりました。
小麦の代用食材が手に入りやすくなっているのでとても便利です。
そして、小麦を控える食生活を送ることで、僕の場合は自然と和食を食べる機会が増えました。
そのおかげで油ものが減り、魚や野菜を食べることが多くなったという相乗効果も生まれています。
ただ、僕は醤油などの調味料に入っているような小麦や、比較的含まれている量が少ない小麦などは気にせず食べています。
完璧に小麦を排除するというのはかなり大変ですし、なかなか長続きもしません。
小麦が使われているのが明らかな食べ物や、小麦が多めに使われているようなものを中心に控えるだけでも、僕は十分にその効果を感じています。
小麦を控えることで得られた効果
僕の場合は、小麦を控える生活を始めて1ヵ月半を経過した頃から、その効果を実感できるようになりました。
一番の変化は、体のだるさや重さを感じなくなってきたこと、そして精神面でも落ち込んだり悩んだりすることが少なくなってきたことです。
逆に以前と比べて、自分の気持ちが意欲的になり、そしてかなり行動的にもなりました。
また、睡眠に関しても大きな変化がありました。
寝つきと寝起きが良くなったのです。
布団に入ればすぐに眠れ、朝もスッキリと起きられる日が増えました。
睡眠をしっかり取ることができ、そのリズムが整えば、アトピーの改善にとっても大きなプラス要素です。
体調面・精神面での変化、そして睡眠に関する改善…。
これらは小麦を控えることによって、腸、副腎、脳、神経といった各部位の炎症が落ち着いてきたことによる結果だと考えられます。